“たいらばやし”か”ひらりん”か ~『えほん寄席 満員御礼の巻』~

今日の読書こそ真の学問である

新学期が始まって半月が過ぎ、新しい環境に慣れようと頑張っているせいか、疲れが出ている子も多いですね。

今日はちょっと"箸休め"的な話題ですが。。。

私事ですが、我が子が通う某小学校で本の読み聞かせボランティアをしています。

「読み聞かせボランティアって、本読みの"プロ"がするんでしょ~?(* ̄- ̄)」と思い、参加する気はなかったのですが。。。

遡ること、我が子が小1になったばかりの頃。
仕事柄お役に立てるかと思い、授業支援のボランティアに登録したんです。
そのボランティアの初日、読み聞かせ組織のボスから軽~く、「授業支援するなら、読み聞かせもしない?」と誘われたんです。
余りに軽~く誘われたので、こちらも軽~く「いいですよ。」と返事をしました。
そんなこんなで顔合わせ会に行ったら、元・保育士さんとか、すごい才能の持ち主さんとか、そうそうたるメンバーでビビりましたΣ(゚Д゚)
皆さん、読み聞かせがとってもお上手なんです。。。

で、ちょっと考えたわけです。

そうだ!落語を読もう!!

私自身、小学生の時に図書館で借りた落語の本にはまり、そこから大の落語好き♡
だったら、自分が読んで面白かった落語の本を読もう♡
読み方がうまくなくても、本自体の面白さでカバーしよう!!

そんな"読み方素人"の私の読み方をカバーしてくれたのが、『えほん寄席』シリーズ。

NHK「てれび絵本」DVD えほん寄席 満員御礼の巻|yamano
えほん寄席 満員御礼の巻

なんと、落語家さんのCD付きなんです!!

私はCDを聞きこんで、落語家さんと同じ"間(ま)"で読むよう何度も練習します。
とはいえ、読み聞かせって、抑揚をつけたり声色を変えたりするのはあまり推奨されていないようで。。。
まぁ、推奨されても、そんな技量はないですけど。
蕎麦すする音とか、絶対無理ですし。
でも、落語ってリズムが悪いと全然面白くないので、落語家さんと同じ"間"にしたり、大げさにならない程度の抑揚はつけて読んでいます。

そんな私の"鉄板ネタ"が、『えほん寄席 満員御礼の巻』に収録されている『たいらばやし』。

簡単にあらすじを説明しますと、
物忘れの激しい定吉が、旦那様からの言いつけで平林さんに手紙を届けに行きますが、届け先の「平林」という名前を忘れてしまいます。
定吉は手紙に書いてある「平林」という字が読めません。
そこで、道行く人に「この字は何て読むんですか?」と聞くものの、誰も「平林」を正しく読めなくて。。。
というお話です。
って、これじゃ伝わらないですよね(^^;)
もうちょっと詳しく書きます(^^;)

最初の人は
「上が『たいら』で、下が『はやし』だから、『たいらばやし』だな。」
と言います。

次に会った人は
「上が『ひら』で、下が『りん』。だから『ひらりん』じゃ。」
と言います。
それを聞いた定吉は
「ひらりん、ひらりん、ひらひらりーん。なんだか、ひらひら飛んでいきそうだな。」
とつぶやきながら歩きます。
(ここで必ず小学生は笑ってくれます。)

次の人は、「平林」を分解して読む、という暴挙に出ますΣ(゚д゚lll)
「一番上が『一(いち)』、次が『八(はち)』、その下『十(じゅう)』、その下は木(もく)が2つ で『もくもく』、つまり『いちはちじゅうのもくもく』だ。」
(ここも爆笑してくれます。)
それを聞いた定吉は
「いちはちじゅうのもーくもく、いちはちじゅうのもーくもく、いちはちじゅうのもーくもくって、そんな妖怪みたいな名前じゃなかったぞ?」
と、子どもの笑いのツボを押さえたかのようなことを言ってくれます。

次にお嬢さんに会うんですが、お嬢さんは「これは丁寧に読むんですよ。」と前置きし、
「『一』は『ひとつ』、『八』も『やっつ』、『十』は『とお』、木が2つは『きっき』だから、『ひとつとやっつでとっきっき』ですよ。」
と言い出します。
(そんな苗字あるかい!!)

「平林」を正しく読める人は現れるのか!?
オチはどうなるのか!?

気になる方は、ぜひ本でお楽しみください(^▽^)/

参考までに。。。その1
国語の教科書が光村図書の場合、「平」という漢字は3年生の3学期に習います。
それで、我が子のクラスでは3年生の2月に『たいらばやし』を読みました。
前年度も別の中学年のクラスでこの話を読みましたが、みんな笑いながら聞いてくれて、とても反応が良かったです(^▽^)
なので、読み聞かせにおススメです♪

参考までに。。。その2
「平」を「一」「八」「十」に分解するのは、昔の書体じゃないとわかりにくいかもしれません。
そこで、定吉が「この字は何て読むんですか?」と聞くときに、この紙を見せるようにしています。

ちなみに。。。
本家の落語『たいらばやし』の中では、定吉が「どれが本当の読み方か分からないから、全部まとめて言いながら歩こう。」と言う場面があります。

“たいらばやし"か"ひらりん"か
“いちはちじゅうのもーくもく"
“ひとつとやっつでとっきっき"

私はこのフレーズが大好きなのですが、この本ではこれがカットされています。
5分に収まるように編集されているので、仕方なかったんだと思いますが。。。

上記フレーズも載っている"フルバージョン"を読み聞かせで使うなら、こちらの本に収録されている『たいらばやし』がおススメです♪

まんじゅうこわい きみにもなれる落語の達人1/桂文我(著者),東菜奈|bookoffonline
きみにもなれる落語の達人① まんじゅうこわい

ただ、こちらの『たいらばやし』を読み聞かせると、15分近くかかります。
なので、読むなら高学年でしょうかね。
低学年だと飽きてしまうかと。。。
高学年のクラスでの読み聞かせが当たるたびに市の図書館に借りに行っていたのですが、表題の『まんじゅうこわい』が大人気なのか、貸し出し中のことが多くて(-ω-;)ウーン
なので、数年前にとうとう購入してしまいました(^^;)

数年前に高学年のクラスでこの"フルバージョン"を読んだところ、あるお子さんが感想で
「『"たいらばやし"か"ひらりん"か、"いちはちじゅうのもーくもく""ひとつとやっつでとっきっき"』って言ってたけど、これを覚えられるなら、なんで"ひらばやし"を忘れちゃったんだろう?って思いました。」
と言っていました。
確かに(^^;)
まぁ、"ひらばやし"を覚えていたら、落語になりませんからね。

余談ですが、「私=落語」と思われているのか、読み聞かせの日に学校に行くとクラスの子に
「ミトウさん、今日は何の落語ですか?」
と聞かれます。
なぜ「落語」限定。。。

何はともあれ、読み聞かせのボランティアに参加させていただいたおかげで、素敵な本に沢山出会えました♪

子どもたちの反応が良かった本を、またブログでご紹介したいと思います(*´▽`*)