『めりけん留学奮戦記』

タイトルだけでおわかりになる方、相当落語通ですね♪

塾とは全く関係ない話で申し訳ないのですが。。。

先日、柳家小三治師匠が亡くなられたというニュースを見ました。

実は私が人生で最初に落語を聞いたのが、小三治師匠の落語なんです。
さかのぼること、30年以上前。
高校の芸術鑑賞会に来てくださったのが、小三治師匠。
正直、クラスの誰も落語を楽しみにしてなくて、私だけがワクワクしていたという。。。

演目は忘れてしまいましたが、まくら(本題に入る前の小噺)は覚えています。
こんな感じでした。

色々な学校で落語をしていて、わかったことがある。
頭の良い学校の生徒ほど、落語を聞いてよく笑う。
逆に、笑わない学校の生徒は、勉強ができない。
ここだけの話、今までで一番笑わなかった学校は、〇〇高校。

(小三治師匠は学校名は実名をあげておられました。多分、実話じゃなくて、ネタだと思いますけどね。どの学校かって?お知りになりたければ、コッソリ私に聞いてださい笑)

まくらでドカーンと笑いが起きまして。
懐かしい思い出です♪

さて、若い頃の私に落語の楽しさを教えてくださったOさんから、よく落語のテープをいただきました。
その中にあったのが、小三治師匠の『めりけん留学奮戦記』。
何度も何度も聞きましたね~。
運転して帰省する時には、車内はずーっと落語が流れていました。

この『めりけん留学奮戦記』
小三治師匠、「字幕なしで英語の映画を見たい!」と、思い切って3週間休みを取り、単身サンフランシスコへ。
その時のエピソードを、落語にしたものです。
アメリカに語学留学、という題材が、この仕事をしているせいで余計に興味深く思います。

1つ1つのエピソードがとにかく面白い!!

アポなしで語学学校へ行き、受付で何を聞かれても「アイ ウォント トゥー スタディー イングリッシュ!」で押し通し、学期途中に関わらず入学させてもらいます。
ところが、入学テストでのカンニングが仇となり、上から2つ目のクラスに入ることになって苦労されたんです。

初日。
先生が“Past Perfect Progressive“(過去完了進行形)と黒板に書きます。
師匠はチンプンカンプン。
後でそれが「過去完了進行形」だとわかるのですが、
「過去で完了させたものを、今さらなぜ進行させる必要があるのか!」
とおっしゃっていました(笑)

結局、授業が難しすぎることを一生懸命伝えて、一番易しいクラスに変えてもらえます。
でも、学んでいる文法そのものは簡単でも、先生の説明は英語でペラペラ言うもんだから結局難しいという(笑)

また、私たちが普段使っている外来語がアメリカで通じると思ったら大間違い、というエピソードもありました。
先生が「ストール」って言うから襟巻かと思ったら、"store"だった、とか。
「アパラ」って言うから「胸あたりの骨」(アパラ骨。笑)だと思ったら、"opera"だった、とか。
だから、日本でも「コンビニエンスストア」は「コンビ―二エンスストール」と言ってもらいたい。
NHKも「皆さんお待ちかね、NHKアパラの時間です。」と言ってほしい。
マクドナルドじゃなくて、「今日はみんなでマッダナルに行こうよ」って言おうよ、と。

小三治師匠は、演目そのものも面白いのですが、前述の高校での話もそうですが、まくらがとにかく面白いんです。
私も、その時の演目は忘れてしまいましたが、まくらだけは覚えているくらいですから(^^;

その、小三治師匠のまくらを集めた本があります。

ま・く・ら

どちらの本も、私物です。(どれだけ落語好きなんだ、っていう話ですが。)
私のおススメは、『ま・く・ら』の『駐車場物語』。
師匠が借りている駐車場に住み着いてしまった人のお話です。

この『ま・く・ら』に、『めりけん留学奮戦記』も収められています。
ブログを書くにあたり、もう一度その部分を読み返してみました。
テープで聞いた話とかなり似ていて、小三治師匠独特の語り口調が頭の中で蘇ります(*´ω`)

最後に、『めりけん留学奮戦記』のラストの小噺をご紹介します。
日本人がアメリカで発音が通じなくて困った、という小噺です。

ワシントンからね、シカゴ行きの切符を買おうと思ってね、出札所へ行って、お金を出して
「トゥー・シカゴ」
「ハァ?」
「トゥー・シカゴ」
と言ったら、シカゴ行きの切符が2枚出てきた。
トゥーじゃいけないのかな、こりゃ。あ、そうだ、こういうときはフォーを使うんだ。
「フォー・シカゴ」
っつったら、4枚出てきた。
弱っちゃったな、こりゃあ、と思ってね、
「うーっ、エート、エート…」
っつったら、8枚出てきた。

(『ま・く・ら』p102-103)

おあとがよろしいようで。。。

趣味落語

Posted by みとう学習塾